2009年6月16日火曜日

或る日曜日

或る日曜日の夕方です。この写真はどこでしょう。ここは東京の真中。地下鉄大手町の上にあるサンケイビルのスターバックス、といっても、大きなフロア-のお店はほとんど休みです。もちろんスターバックスも。オフィス街なので、日曜日の夕方はほとんど人がいません。このガラス張りの手前に白いテーブルと椅子が6セットほど。一人ひとつのテーブルを占領しても、広いフロア-に4、5人。
みんな、本を読んだり、勉強をしたり。私は東京の曇り空をぼーっと眺めていました。家はここから地下鉄で30分で帰れます。このまま下に降りていけば駅です。高校を出たばかりで演劇研究所に入ったころ、円の研究所は御成門と芝公園の近くにありました。夜になると東京タワーの灯りが懐かしいほどに美しく、私はよく芝公園で、東京の空を眺めながら、詩の練習をしました。「智恵子は東京に空がないという、ほんとの空がみたいという、私は驚いて空をみる・・」
周りのみんながきれいで、お芝居も上手で劣等感ばかりだったあの頃。円の素敵な俳優さん、岸田今日子さんも仲谷昇さんも、指導していただいた渥美国泰さんもここ2年ほどの間にみな、亡くなられてしまいました。「頭で考えるな、自然に、気持ちから」それが今でも私の大切な基礎になっています。東京の空、よく見たなあ。「桜若葉の間にあるのはきってもきれない昔なじみのきれいな空だ・・」夢と未来、そして悩みがいっぱいだったあの頃、懐かしい・・・。